赤ちゃんの誕生を報告し、健やかな成長を氏神様に祈願する『お宮参り』。赤ちゃんが生まれて初めてのイベントでもあり、日本の伝統的な行事のひとつです。
一般的に『お宮参り』と言えばイメージするのは、晴れ着を掛けられた赤ちゃんを抱っこしてのお参りの様子。でも、お参りは着物でないといけないの?着物のお値段や着付けは??という疑問や、和装に伴う現実的な問題も……。
ここでは、お宮参りでの服装や着物について解説していきます。
目次
お宮参りは和装 or 洋装?服装の疑問
神社での伝統行事、と言えばやはり和装のイメージが強いお宮参りですが、必ずしも和装でないとダメ、というわけではありません。
お宮参りの古いしきたりには、
・母方の祖父母がお祝いとして産着を用意する
・父方の祖父母が付き添って赤ちゃんを抱っこするのは父方の祖母
・男子なら生後30日か31日目、女子なら31日か33日目にお参りを行う
・土地神様へのお参りなので地元の神社に行く
等々……昔は細かな決まりごとが多々あったお宮参りですが、現代社会においてはもう少し柔軟になってきています。そもそも日常着として着物を着ることの少ない現代人ですから、大人だって着物を着て1日を過ごすのはやっぱり大変。産後のママさんが着物を着る負担については、体力的な面やお子様への授乳についてなども含めて現実的に考慮していきたいところです。
逆に言えば、なかなか和装に触れる機会も少ないからこそ、せっかくなら着物を取り入れてお宮参りをしたい!というのもごもっとも。和装、洋装どちらにもそれぞれのメリットやデメリットがありますから、お宮参りのしきたりが柔軟になってきているように、どちらの良いところもちょっとずつ取り入れていけたら良いですよね。
おすすめとしては、パパさんママさんは洋装でのフォーマルスタイル、赤ちゃんはベビードレスを着用の上お参りの時だけ産着を掛ける掛け着でのスタイルが良いでしょう。これならママさんの負担も少なく、伝統的な和装の楽しみもありますし、赤ちゃんがぐずったら着物を外してあやしてあげることもできます。
産着は購入?レンタル??お値段の違い
祝い着である『産着』は、赤ちゃんの為の初めての晴れ着です。前述した通り、昔は母方の祖父母が用意するものとされていました。また、産着で使用した着物を仕立て直して3歳の七五三で着用することもできます。
とは言えやはり着物ですから、お値段はピンからキリまで。高価なものでは数十万円するものもありますが、大体3〜5万円くらいで用意することが多いようです。
また、費用を抑えたい場合や、購入した着物を先々まで管理していくことは難しい…!なんて場合には、レンタルサービスもあります。こちらも価格帯に差はありますが、5千円くらいから2万円前後で用意でき、購入するには高価なものでもレンタルなら手が届くことも。宅配で届けてくれるところもあり、
・襦袢
・帽子とよだれかけ
・お守り
といった、基本的に必要なものが全部まとめて用意されています。大体3泊4日くらいのレンタル期間で、使用日翌日に返却、というところが多いようです。
購入か、レンタルか。こちらもやはりそれぞれにメリットデメリットがありますので、検討して選びたいところですね。
お参りの時の『掛け着』ってどうなってるの??
さて、いざ産着も用意してみんなでお参り!となった時……あれ、これどうやって着せるの?となるパパさんママさんも多いでしょう。それもそのはず、生後1ヶ月そこそこの赤ちゃんに対して、産着のサイズ感は大きいものです。
お宮参りの時は、赤ちゃん本人は着物に袖を通しません。赤ちゃんを抱っこした人に祝い着である産着を前から掛けて、着物の柄が見えるように着用するスタイルが『掛け着』です。
産着には同じ形の襦袢という下着がセットになっていますから、まずは産着の内側に襦袢を通しておきましょう。産着と襦袢にはそれぞれ紐が縫い付けてあるので、その紐を袖の中に通し、着物の柄が施されている背中側を前にして、赤ちゃんを抱っこしている人ごと赤ちゃんを包むようにして背中で紐を結びます。この時、赤ちゃんの首回りがきつくなりすぎないように注意して。よだれかけは着物の上に出し、お守りは背中の紐にくくりつければOK。最後に着物のシワを整えて、完成です。
掛け着の着せ方についてはわかりやすく解説してくれている着物屋さんの動画もあるので、ぜひ参考にしてくださいね。
せっかくの家族のイベント。晴れ着での思い出を残しておきたい!
生まれた赤ちゃんが主役となる初めての家族のイベント。となれば、やっぱり写真を残しておきたいですよね。
お宮参りでの写真撮影については、いくつか選択肢があります。
自分で撮影!
写真引用:Freepik
写真が好きな人やカメラを持ってるなら、何よりお金もかからなくて経済的!その日のうちに撮った写真も見られます。しかし、神社によっては三脚の使用ができないところもあるので、家族の中の誰かがカメラマン役に徹することになってしまうと、全員そろっての写真が撮れないかも。
出張カメラマンにお願い
写真引用:Freepik
こちらはプロのカメラマンさんにお参りに同行してもらうサービスで、最近利用する人が多くなってきています。出張カメラマンさんをお願いする場合は、その神社での撮影の許可取りといった手配は全てこちらで行います。また、お願いする人によってかかる費用や写真のイメージもまちまちなので、事前の準備やリサーチは必須。写真は基本的にデータで後日納品です。
呉服店や神社での撮影サービスを利用
写真引用:KYOTO KIMONO 夢館
晴れ着のレンタルをする場合や、お参りをする神社によっては撮影サービスを行なっているところも。この場合は撮影を行い、写真を選んで台紙などにする場合が多いようです。こちらも後日納品が一般的。着物のレンタルサービスと合わせての撮影プランなども用意されています。
写真スタジオでの撮影
写真引用:Life Studio
写真スタジオでの撮影の場合は、呉服店や神社での撮影に比べて柔らかい写真が撮れるところが何よりの魅力。かっちりとした記念写真、というよりも、幾分自然体な雰囲気の写真になるでしょう。また、着物以外にもお着替えができたり、スタジオによっては当日写真データをもらえたりするところもあります。しかし、お参りの後のスタジオ撮影は赤ちゃんにとってはなかなか長丁場でコンディションが崩れてぐずってしまうことも……。余裕を持って撮影するには、写真スタジオはまたお参りとは別の日に予約をすることも検討してみてくださいね。こちらの記事も参考にしてみてください^^
まとめ
着物のことはわからないことがいっぱいですが、せっかくなら大切にしたい日本の文化や伝統。今の時代だからこその、いろんな選択肢もありますね。良いところをうまく取り入れながら、赤ちゃんの為の大切な1日にしてくださいね^^